震災から9ヶ月。能登半島の今。
能登半島遊び場支援プロジェクト メンバー
三由 野:(株)ポーザーCEO アウトドアスポーツやまぐち協同組合代表理事
福村 紅子:スタジオBCO経営 水泳・体操指導専門家
新井 謙太朗:PLAY SETOUCHI事業協同組合代表理事
元日の震災から9ヶ月の月日が経った能登半島へ向かうきっかけは山口県内外で裸足で遊ぶをコンセプトとした”ハダシランド”を運営するアウ トドアスポーツやまぐち協同組合代表理事であり、(株)ポーザーCEO 三由さんとの会話の中から始まった。「遊び場を提供している僕達が能登半島の子供達に何か支援できることはないだろうか。」そんな会話が 今回のプロジェクトのスタートのきっかけとなった。そのタイミングで石川県羽咋市を拠点に災害支援を行う”災害支援団体TEAM JAPAN”のお話会が山口市で開催されるとの知らせを受けて、 お話会に参加し、そこで直接TEAM JAPANの代表加藤やわらさんに本プロジェクトを相談したところ快諾して頂き今回本 プロジェクトで支援の受け入れをしてくれた、珠洲市みさき小学校、穴水市平和こども園での遊び場支援プロジェクトが実現しました。 震災から9ヶ月が経った能登半島では、奥能登に進むにつれて未だ復旧が進んでいない状況が散見された。 震災による被害でブルーシートを被ったままの家屋、全壊し たままの家屋、地盤沈下による凸凹な道路は、前回5月に支援活動に入った時と大きく変わったとは言えない状況にあった。そんな中多くの民間の支援団体が能登復旧・復興の為に尽力している状況はとても大きな希望の光のようだった。
珠洲市みさき小学校
石川県珠洲市みさき小学校(※写真右上2つ)は能登半島でも先端に位置に元日の震災では、生活インフラのほとんどを 失う程の被害を受け、現在は校庭に仮設住宅が建っており、児童が校庭を使用することが困難な状況となってます。また震災後約半数の児童が珠洲市を離れ、避難生活、または拠点を移してしまい、新学期に会うことを約束した級友との再会が叶わないまま離散。児童のみならず教員の皆さんも被災しながらも通常の学校運営に携わり続けているという環境は多くのストレスを抱えているみんなの心のケアの重要性も感じました。今回の支援では支援メンバーの子供達(小学生5名)も帯同し、珠洲市の子供達と一緒に昼休みを過ごし、先生方のご配慮によりとても有意義な時間を過ごさせて頂きまし た。今回の遊び場支援を快く受けて頂いたみさき小学校では、約30名の児童の皆さんにハダシランドではお馴染みのスパ イダージャングルジム、スラックライン、ジップライン、けん玉などの遊びを提供し約1時間という短い時間でしたが、限られた校庭のスペースに子供達の声が響き渡り、併設された仮設住宅からも顔を出してくれる皆さんの姿も見受けられ、今回の支援活動を行えたことをとても嬉しく思いました。支援後には、山口県内のけん玉愛好家から寄付されたけん玉をみさき小学校へ寄贈してきました。 支援活動後、みさき小学校国永教頭先生より暖かい手紙(※ 右写真下)を頂き、支援に行った僕達の方が沢山の学びや、経験、そして能登半島で被災したにも関わらず今も復興を目指し強い思いで前進していくという想いを沢山頂きました。「また一緒に遊ぼう!」と約束をしてみさき小学校での支援活動を無事終えました。
穴水市平和こども園
能登半島の中腹に位置する穴水市の平和こども園では年長クラスの子供達に遊び場支援を行なってきました。 同園の日吉園長は震災後から約3ヶ月の期間民間の避難所として近隣の方々への炊き出し、支援物資の保管・配布、ボランティアの受入などを行い、通常の保育園を運営しながら、復旧・復興に尽力をされて来られ、震災直後からの貴重な話を聞かせて頂きました。熱い想いを持たれた日吉園長のご配慮により当日の天候は雨だった為、屋内スペースを利用し遊び場の支援を行いました。設営の段階から普段とは違う遊び場が出来ていく様子を多くの園児達が興味を持ってくれていました。実際に遊び場が始まると真っ先にスパイダージャングルジムへ。帯同した子供達が園児達に遊び方をレクチャーし、一緒に遊び、最初は緊張気味だった子供もあっという間に裸足で遊びに夢中になっていました。今回の支援を受けてくださる背景として、震災後に同園裏側 にある校庭が土砂崩れにより使用が出来ず、本来であれば外で遊べる時期でも室内での遊びに限られていたことがあります。同園周辺では、未だに倒壊した家屋の公費解体が進んで おらず、園児達の通園道路も道路の陥没により凸凹となっていました。災害がもたらす被害は物質的な被害だけでなく日常が一変したことで精神的にも大きなダメージを与えるのだと実感する光景が広がっていました。 2024年9月25日PLAY SETOUCHI TIMES 4 約1時間の遊び場支援は、園児達はまだまだ遊び足りない様子で終了ギリギリの時間まで全力で遊んでくれました。同園日吉園長からも今回の支援への感謝のお言葉を頂き、本プロジェクトメンバー一同支援させてもらえたことへの感謝の思いとして同園にトランポリンと筒けんの寄贈をさせて頂きました。 2日間に渡る遊び場支援プロジェクトでは合計50名の子供達に 遊び場の提供を行い、無事故で終えることが出来ました。本プロジェクトへご賛同・ご支援頂きました皆様に心より御 礼申し上げます。
支援後に起きた豪雨災害
令和6年9月21日 奥能登を中心に線状降水帯が発生。観測史上最も多い降水量を記録する豪雨。発災当時、幸いにも支援活動を終え山口に帰郷する道中に悲報が届いた。微力ながらも支援活動を終え、少しづつ復旧する能登半島を見て、復興 を目指す能登半島に希望を見出していた思いが潰される気持ちだった。幸いにも今回支援に伺った関係各所では人的な被害はなかったものの、今回の遊び場支援受入を快諾して頂い た珠洲市みさき小学校は、再び甚大な被害を受けた。受け入れに際して寛大な対応をしてくださった国永教頭先生の住む馬緤地区(まつなぎ)では震災以降2度目の孤立集落となり、生活インフラもまた寸断された。「震災の時よりも被害が大きい」という言葉を聞き胸が締め付けられた。これまで9ヶ月もの間震災からの復旧を進め、復興へ向けた動きへようやく 前向きになれた時に起きた豪雨災害はまた降り出しに戻るどころかもっと悲惨な状況を残して行った。未だに孤立した集落があり、日常の風景が一変したその中でも諦めずに生活の再建を目指す人々がいる限り、出来る限りの支援を続けて行きたいと思っています。 能登半島の現状を知ってください。そして是非みなさんの力を貸してください。NOTO NOT ALONE. これからも出来る支援活動を続けていきます。
義援金のご支援ありがとうございました。お預かりした義援金は支援物資の購入に利用させて頂きました。